ほぼ日 ダーリンコラム

 ほぼ日の、本日のダーリンコラムを転載させていただきます(すいません)。本日のダーリンコラムについては、facebookでアートディレクターの秋山具義さんが紹介していたのですが(具義さんが紹介されていたのは「人を傷つけるためのことばがある」から「「作用と反作用」の法則があるから、と言えるだろう。」までの部分)、それで知って読んでみたところ、深くというか、ジーンときました。

 本日の、糸井重里さんによるダーリンコラムは、次の内容です。

 
・ただ、そこに置かれるだけで美しくて、
 ああこれはいいなぁ、と言われることばがある。
 それは、偶然に生まれたことばかもしれないし、
 磨きに磨かれて生み出されたことばかもしれない。
 どちらにしても、ただただ
 「いいなぁ」と思われることばというものはある。
 
 これをこうして、これをこうすれば、こうなります。
 というような、なにかをつくるための
 やり方を示すことばがある。
 それを実際にやってみたら、なにかができたりする。
 マニュアルとか、レシピとか、説明書とか、
 道具として役に立つことばというものがある。

 人を傷つけるためのことばがある。
 これを言われたら、相手は苦しむぞ、痛がるぞ、
 ひょっとしたら息が止まるぞ、というためにあることば。
 おそらく、そのことばは、向けられた人ばかりでなく、
 発した人のこころをも傷つけることになっている。
 説明書的なことばで、その理由を言うならば、
 「作用と反作用」の法則があるから、と言えるだろう。

 人を慰めることばというものもある。
 安心させるとか、痛みを忘れさせるとか、
 気持ちよく愛撫するようなことばがある。
 それは、ほんとうとかうそとかとは関係ない。
 たぶん、これも、慰めている人のこころも
 気持ちよくなっているような気がする。
 
 人を飾ってくれることばというものもある。
 きれいな服を着ていると、きれいな人に見えるように、
 ことばを使って、おしゃれをすることもできる。
 みんなが「きれいですね」と言ってくれそうなことばを、
 じょうずに見つくろって、それをまとえばいいだけだ。
 ただ、それを脱いだときにどう見えるかは、知らないよ。
 
 なにも言わないのに、ことばを感じさせる人がいる。
 たくさんことばを発しているのに、
 そこからなにも聞こえてこない人もいる。
 それは、憧れのかたちのちがいによるのではないか。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
涼風が吹けば吹いたでさみしいとか言うよ、人はわがまま。
 
 
 

Yasu
  • Yasu
  • デザイナーを経て、クリエイティブディレクター、コピーライター、ライターに。「ベースボール」代表。広告&Web企画・制作、インタビュー構成をはじめ『深川福々』で4コマ漫画「鬼平太生半可帳」連載中。書籍企画・編集協力に『年がら年中長嶋茂雄』など。ラフスケッチ、サムネイル作成、撮影も。