過去の名前でメシを食うか

約束する。
この世界にぶらさがって、
過去の名前でメシ食うことはしない。
矢沢永吉

『新装版 矢沢永吉激論集 成りあがり How to be BIG』
(矢沢永吉、角川文庫)
の260ページに掲載されているこの言葉には、
矢沢永吉さんの決意が込められているのだろう。

昭和53(1978)年7月に小学館から単行本として刊行され、
ベストセラーとなった同書は、コピーライターの糸井重里さんが
ライターを務めたことでも知られている。

矢沢さんは同年の長者番付歌手部門1位を獲得。
現在では、個人情報保護法の関係なのか、
長者番付は発表されなくなったが、以前は、
誰がもっとも稼いでいるのかの
分かりやすい指標でもあった。

矢沢さんがクルマを運転しながら
「やりたいことをやってきたこの人生。
おかげで痛い目にも遭ってきた」
「でも、これだけは言える。
やりたいことをやっちゃう人生のほうが
間違いなく面白い」などと語るテレビCMのように、
成功をおさめても決して守りに入らない、
その姿勢はかっこよすぎるほどに、かっこいい。

一般的にベテランとされる年齢に達しても、
常に攻めることを忘れず、チャレンジし続け、
いくつになってもエネルギッシュな矢沢さんに
見習うべき点は、私も含めて、少なくないはずだ。

『新装版 矢沢永吉激論集 成りあがり How to be BIG』
(矢沢永吉、角川文庫)

※「ワードナビ」(2017年5月18日掲載)の文章をもとに再編集しました。

Yasu
  • Yasu
  • デザイナーを経て、クリエイティブディレクター、コピーライター、ライターに。「ベースボール」代表。広告&Web企画・制作、インタビュー構成をはじめ『深川福々』で4コマ漫画「鬼平太生半可帳」連載中。書籍企画・編集協力に『年がら年中長嶋茂雄』など。ラフスケッチ、サムネイル作成、撮影も。